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★諸注意★
・一見して主零?と思う程、べったべたな主従がいます。
・白も原作より割とべったりです。
・主人公の名前はデフォルトの「七代千馗」。
・ED後妄想な上ちょっと短めですが、それでも宜しければ続きからどぞ。





ぼんやりと縁側で座る雉明を見付けた。
夜中、喉が渇いて水を飲みに台所に行った帰りだった。
白々とした月に照らされた空を眺めているらしかった。ワイシャツ一枚でいるから、風邪を引くんじゃないか、と心配になる。青白い月の光が彼の白い髪と白いシャツに反射して、余計寒そうだ。事実、息を吐くとうっすら息が凍る。

「雉明」

どうした、と声を掛けると、半覚醒状態の声で名を呼ばれた。振り返った顔も、やはり少し眠そうだ。

「こんな所にいたら風邪を引くぞ?」
「風邪…」

一瞬きょとんと瞬いてから、雉明は眉を下げた。

「俺でも、風邪を引くだろう、か…?」

白は引きそうだけど?、と小さく肩を竦めて見せる。白が引くなら雉明も引くだろう?、と隣に腰掛けながら言えば、成る程、と雉明が笑った。

「――眠れないんだ…」

たっぷり百数えた間の後、ぽつりと雉明が零した。顔を見遣ると、また空をぼんやりと眺めている。思わず、眠そうなのに?、と訊き返すと、こっくりと頷く。

「何故だか、凄く…怖いんだ。不安定で、眠れない…」

片膝を抱えて縮こまる姿に無意識に手が伸びた。ぐい、と肩を寄せると、ぱちくりと目を丸くする。

「一緒に寝ようか?」

ね、と笑うと、良いんだろうか?、と怖ず怖ずと服の裾を掴まれる。それに頷くと、ほんわりと雉明が表情を緩めた。良かった、と言って小さく息を吐く。

「やっと、こうして傍にいられるようになったのに…いや、なったから、か?一人で眠ることが、怖い……駄目だな、俺は…」
「稚明……」

自嘲めいた台詞をやんわりと窘める。冷えた指先を、掴まれた裾ごと片手で包んでやりながら、雉明の頭を自分の肩に引き寄せた。
されるがまま、俺の肩に頭を預けた雉明は、少し戸惑うように視線をさ迷わせた後、済まない、と吐息混じりに呟いた。やっと安心したのか、寄り掛かった雉明の体重が増した。

「君に…は……くろぅ、ばかり…させ…る、な……」
「…稚明?」
「…………………………」

うとうとと瞼を開閉させていたかと思ったら、急にすとん、と雉明は眠りに落ちてしまった。やはり、余程眠かったのだろう。直ぐに寝息も聞こえてきた。
静かに呼吸を繰り返す雉明の肩をぽんぽんと撫でながら、小さく嘆息する。次いで、まぁお、と背中越しに背後に声を投げた。

「枕と掛布団、俺の部屋に持って来て」
「は?な、なな何故妾がそのような事…!」

気付かれていた事に驚いて、そしていきなりの命令に憤慨する。ずかずかと傍まで来て膨れっ面で見下ろしてきた白に苦笑する。羨ましいのか、ちらちらと雉明を窺っているのが可笑しかった。
白、と名を呼ぶと、ぴくんと髪が動いた。

「流石に一つの布団じゃ、三人は寝れないだろう?」

あ、やっぱり敷布団も必要か、と笑えば、白が目を真ん丸にした。次いで頬が赤く染まる。それにまた笑って、雉明を横抱きに立ち上がる。白も軽いからきっと大丈夫だろうと試してみたが、案の定雉明も驚く程軽かった。やっぱりカミフダの化身だからかな、とぼんやりと考えていたら、仕方がないのぅ、と小さな嘆息。

「……白?」

胸近くにある頭を見下ろすと、真っ赤になった顔が腕を組んでいた。

「そこの粗忽者に免じて、今晩は共に寝てやらぬ事もない。…………わ、妾は枕ぐらいしか運べぬぞっ」

渋々といった様子だが、真っ赤な顔で言った所で意味がない。天の邪鬼だなぁ、と内心で苦笑しながら、じゃあ俺の部屋の布団を先に行って動かして置いて、とお願いすると、分かった、と素直に頷いた。やっぱり一緒に寝たいんだな。
足早に立ち去る白の背を追いながら思わず吹き出した。
冷たい廊下を歩きながら、静かに眠りこける雉明と、早速枕を抱えてきた白を交互に見遣る。
寝息と、早くせい、と急かす声に苦笑して、千馗は、はぁい、と自分の部屋に入った。



これホントに×じゃないんですか?
そんな声が聞こえた気がしますが、違うよ!、と言って置きます。
お姫様抱っこなのに?
男性を姫抱きしたらいけないなんて事ありませんよね?、と釈明して置きます。いや、だって、起こして歩かせるとか可哀想じゃないですか。絶対障子とか襖にぶつかるじゃないですか雉明。
前回は壇にべったべただったので、今回は正真正銘主にべったべたになっていただきました。うわぉバカ主従!
後半は白も一緒にべったべた……してないですね。あれ?
気持ちは一緒なんですけれど。女の子だから扱いが違うのかも。でもちゃんと白が寝ちゃってたら姫抱きで運ぶよ!
やっぱり、スキンシップが恥ずかしいか恥ずかしくないかの差かな……。
ウチの雉明は一体どこにいってしまうのだろうか…?

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