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★諸注意★
・尚隆×六太です。
・別にこれと言って恥ずかしい内容ではありませんが、そういった内容が含まれます(何?)
・お仕事抜け出して関弓のどっかの宿にいる、という前提でいきなり話が始まります。ご注意。
・それでも宜しければ続きからどぞ。





「六太、ろーくーたー…」

はらはらと雪がちらつく家々を眺めていた六太は、切れ切れに自分を呼ぶ主の声に頭を巡らせた。
窓際から牀台へと視線を遣れば、絹に包まっている主が見えた。絹の隙間から手だけが出ていて手招きしている。
六太は小さく嘆息して牀台へ寄った。

「何してんだ蓑虫主上」
「お前もこい……寒過ぎる」
「俺は懐炉代わりか!」

文句を言ったら、がしっと問答無用で腕を掴まれ牀台に引きずり込まれた。非難の声を上げる間もなく、逞しい腕が自分の小さな身体をその中に閉じ込めた。

「……冷たい」

ちっ、と舌打ちしたのが聞こえて、六太は押し付けられた胸板に爪を立てた。自分から懐炉代わりにしたくせにそんな悪態をつく主にささやかな抵抗をしてみる。
するとぎゅっと抱く腕の力が増した。

「こんなに冷たくなるまで窓際にいるなんて、お前は字通り馬鹿だな。逆に俺がお前の懐炉代わりになってしまったじゃないか」

ブツブツと言いながらも流れ込む王気は優しくて温かくて。
六太は自然と瞼を閉じた。

「雪、見たかったんだもん」
「そんなに珍しい事ではなかろう。毎年降っとる」

そうだけど、と口篭って六太は主のはだけた衣の端を引いた。

「尚隆と…見たかったんだもん」

でも寒いから嫌だって言うから、と小さくなる声に尚隆は瞬いた。そして陽の色の髪を指で梳きながらくすりと苦笑を漏らす。

「可愛い台輔がお望みとあらば、お付き合い致しましょうか」

もう少し温まったらな、と笑って尚隆は六太の頭を引き寄せた。六太は、うん、と頷いてぎゅっと主の首に腕を回して抱き付いた。
子供をあやすように頭を撫でる手が心地良い。
じんわり染み込む自分だけの王の気に微笑んで、六太は瞳を閉じた。
起きたら雪を見よう。
真っ白な真っ白な綿雪を。
実は尚隆が、寒い、と言ってくっついてくるのが好きだから、なんて理由は教えてやらない。
――――それは雪の日の、俺だけの秘密。



気付いたら子供扱いされるのがそんなに嫌いじゃないらしいウチの六太。
というか平気で甘えてますね。
尚隆さんもそれが当たり前のような感じです。宮城でもこんななのだろうか……。
朱衡は良いとして、帷湍あたりキリキリしてそう。

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