・九龍妖魔學園紀で皆守×主人公です。
・主人公の名前はデフォルトの「葉佩九龍」。
・続きモノです。
・微エロ警報発令中。
・それでも宜しければ続きからどぞ。
It's a beautiful days.③ 『霞に匂え』
慣れた仕草に苛々として思い切り引き倒した。
きゅう、だか、きゃん、だか犬みたいな声を出してシーツに転がった葉佩の上に跨がってセーターを脱ぎ捨てる。葉佩のTシャツにも手を掛けると、手首を掴まえられた。掴んだ手を睨み付けると、笑いを含んだ声で、本気?、と巫山戯た台詞が返った。
「…本気だったら、何だってんだ――!」
一瞬で頭に血が上った。
押し殺した声に反応を楽しむように葉佩が笑った。くつくつと揺れる喉元に噛み付いてやりたい衝動を抑えて、代わりに噛み付くように唇を奪った。がちっ、と葉佩の唇越しに歯が当たって葉佩が顎を引いたが、それを追って咥内に舌を捩込んで上顎を撫でた。
「…っん、ん」
鼻に掛かった声と共に掴まれていた腕が離され、両腕が首の後ろに回った。やんわりと引き寄せられる。
酷い眩暈がした。
気がした。
勢い任せの行動に、頭が追い付いていないのが分かる。唯々、目の前のモノが欲しくて、腹が立って、仕方がなかった。
ろくに言葉すら交わさずに、目がついた箇所に順に舌を這わせ、きつく痕を残した。いささか白い肌に赤く鬱血を残していく度に、征服欲が満たされていった。
しかし、代わりに急速に虚しくなっていくのは何故だろうか。
欲しいモノは目の前にあって、簡単に手に入るというのに。拙い己の愛撫に反応してくれる、嬉しさだってしっかり感じているというのに。
――――いや。
(分かっている…)
この不毛な行為の意味くらい。
葉佩の考えくらい。分かっている。
この行為は、葉佩にとって自分を懐柔する手段の一つでしかないのだ。それが、虚しくて仕方がないのだ。
感情より欲ばかりが先走ってしまい情緒のじょの字も無い空間に、どちらのものか分からない荒い息遣いだけが浮いては沈んでいる。
自分の息を吸う音が悲鳴じみて聞こえるのは、気の所為ではないのだろう。視界が滲むのも、汗の所為だけではないのだろう。
こんな感情、邪魔なだけなのに。
好きとか嫌いとか、それだけじゃ言い表せないこんな感情など、自分には必要無かった筈だ。
風が吹いて雲が流れるように。
流れに任せて唯ゆらゆらと漂うだけの自分には、必要ないモノだった筈だ。
否、と頭の片隅で声がする。
がんじからめに縛られて身動きが取れないからこそ、奔放に自分の周りを引っ掻き回していく姿に惹かれたのだろう、と。
認めてしまえ、と声が言う。
完璧な作り笑いも、不敵に微笑む様も、思わず零れた馬鹿笑いも、何もかもが。
――――愛しいんだろ?
「こぅ…た、ろ…ぉ?」
作り笑いだって気付きながら、気付かない振りをした。引き寄せる腕に身を任せて、唇を重ねる。自然と涙が零れそうになった。
好きだ。好きだ。好きだ。
舌を絡めながら、伝われば良い、と何度も願った。
あぁ。
落ちていくのも悪くない。
第二次接触。あれ?第三次でしたっけ?
理性ぷっつん。どうにでもなれ!な甲ちゃん。
暗くてめそめそしてて後ろ向きで悲観的で。上げれば上げる程ネガティブ人間な甲ちゃんが好きです。
攻なのにね。
続きます。
この記事にトラックバックする: |
12/ 11/4 |
ALL TIME |
-- |
・剣風帖京主で直参 ・京主・天童外法主あり。 ・壬如・皆主あるかも? |
12/ 12/? |
冬コミ | -- |
・鬼祓師主壇で申込済み ・各新刊あり。 |
◆十二国記◆ ◆東京魔人學園伝奇◆ & ◆九龍妖魔學園紀◆ 魔人主受サーチ ◆東京鬼祓師◆ ◆応援&参加イベント一覧◆ 壇主壇アンソロ 壇きゅんにキュンキュンです! ALL TIME |